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晩メシ後のほんの余興
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「だから爪切ったばっかじゃデンセンするって言ってるでしょ、ホラ手ェ貸して、ちょっと磨いてあげるから」
「もう遅いって、まあ見てなさい。へえストッキングって結構あったかい? これ冬の寒い時かぶって外歩いたら駄目?」
「いいよ止めないよ、やってみな、捕まるから」
「すみません俺が悪うございました。なあ、戦後ストッキング強くなったってマジ? もっとすぐ破けるヤツだったわけ?」
「あたしが知るわけないじゃん。でもその頃ストッキングあったの?」
「じーさん言ってたけどな。靴下と女は戦後強くなったとか。あ、うちのジジババはストッキングのこと靴下って言う」
「……お祖父ちゃんがストッキングについて語る家って珍しいわ」
「そ? ほなお客さんここ良く見といてや」
「アクセント、ブブー。へたくそ」
「俺埼玉人だもんよ、そっか、お前んちもしかして親戚みんな大阪弁で喋るのか……」
「そうでもないよ? 並木のおばあちゃん大抵京都だし、兄貴も吉祥寺に住みついて長いし」
「その大抵ってのは何」
「一人だと掃除とかごはん作るの面倒だって言ってホテル住まい。合理的? ていうか旅行好きなんだよね、あと物ぐさ」
「……前から思ってたけどお前んとこ超金持ち?」
「普通だよー」
「……払えんのか俺?」
「何が」
「いいって。はいお客さん、3つ数えてくれる?」
「ん? はーい。いっちにーさん」
「うわー投げやり。んでこのストッキングを丸めます」
「ふんふん」
「嗅ぎます。あ痛っ!」
「バカかっこの変態!」
「ジョークだろ洗濯してんだろこれ。はい、もっと丸める丸める丸める、はい! あげる」
「……何これ」
「へへ」
「う……ちょっと待て、いきなり?」
「はっはっはー頑張ってみました! だってお前が言ったじゃん絶対タテヅメのダイヤねって」
「……いくらしたのよ」
「最初に訊くなよーロマンがねぇ女だな」
「いや……うん……これプラチナだよね……げっ」
「お前がよーそろそろキメろって言うからさ。けど悪ィ! 金銀銅まで揃えるカネねぇわ」
「……はあ、金銀銅?」
「あ、違うわ。銀・金・プラチナ。お前その順でくれって言ってたよな」
「忘れてよそんな若気の至り……あのさ、芳貴」
「わん」
「犬か。……言いにくいんだけどさ、サイズ違う」
「えっ?」
「っていうかあんたにサイズ教えたことないよ!」
「えーだってこういうのはやっぱ驚かせねぇと」
「バ・カ! どうやって作ったのよこれ」
「いやぁ、ははは」
「よーしーたーかーちゃん?」
「だからよ、お前が寝た後こっそり、こう手帳のルーズリーフの端細く切って、指に巻いて……」
「……ルーズリーフ」
「んで輪にして店に持ってったんだけど。おかしいなー。いやぁ石膏でカタ取ろうかとも思ったんだけど、友達でそういう仕事やってるのいるし、でもお前起きたら言い訳難しいだろ?」
「……ルーズリーフ巻いてんのは言い訳出来んの?」
「いやホラ気功とか。そういや指輪のサイズって何センチじゃねえのな、11とか13とかワケわかんねぇ数字。おーい美希、死ぬなー」
「殺すな……いやぁこのアホに一生つきあっていくかと思うとクラッときちゃって」
「てへへへ。ハイこっちの袖からは何と薔薇が!」
「これはカーネーション!」
END.
ストッキングって変な色名ついていますね(某通販カタログを見つつ)。でも解りにくいし、タイトルはこれだ!と先に決めてしまったので。
会話文だけというのは辛いです。「……」という行を入れるとマンガっぽくなりすぎるので、何とか間を保たせたのですが、いや美希は絶対ここ無言だよ、と思う箇所幾つかあり。
メインキリ2222、自爆でしたので花見のついでに友人に強制してお題を貰いました。古月さんありがとう。そしてルーズリーフ案そのまま使ってしまってゴメンナサイ。
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