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白勝 えー何だか趣向が変わってきました。ワイドショーの報道レポーターの気分ス。朱武の兄貴に智恵つけられて被害者側に来ました。……って、あれ、おれ一人?
扈三娘 あら白さん、久しぶりね。ご機嫌いかが?
白勝 あ、どうも……あの……
扈三娘 わたくしただの豪農の娘の筈なのに、どうしてこんな口調なのかしら。
白勝 さ、さあ。家柄で言えば楊志さんあたりいますけどあの人育ち方がオスカルで……うわ、バラしちまった。
扈三娘 ここの楊志さんを知らない読者の方々には恐ろしいイメージが浮かびそうだから、その話題は今は避けた方が宜しいんじゃないかしら。……あの方なら先程安道全先生の処でお会いしましたよ。宿酔なんですって。どうして肌荒れしないのかしら、秘訣を伺いたいわ。
白勝 そうですね、はは……ところであの、扈の姐さん。
扈三娘 先程からどうしたの。
白勝 あの……失礼ですが腹ボテなんスか?
扈三娘 まだ三月には足りないそうだけど。
白勝 ええと……祝彪の……なんてこたねぇですよね……。
扈三娘 ふふ、白さん。
白勝 うわっ! うわっははははあの姐さん、今おれマジ避けなかったら首飛んでましたけど。
扈三娘 当然よ、わたくしの狙いは顎の下でしたもの。貴方何か他に言うべきことがあるんじゃなくて?
白勝 すいませんすいません、すっげぇ失礼なこと訊きました。
扈三娘 この子はわたくし一人の子です。ちゃんと憶えて下さいね。
白勝 は、はい。
扈三娘 間違っても、わたくしが手込めにされたあの男の種だなどと口走ったら、次こそ生命はありませんよ。
白勝 はい! ……えーと、それで。
扈三娘 あの男? わたくしその場で殺しました。女に殺されたなら本望でしょう。それが何か?
白勝 ……ああ遅かった……《地微星》欠番スか。
扈三娘 何を言っているの。この子が王英です。あの男の姓を使うのはいまいましいけれど、大頭領の御言葉ですから仕方ありませんわ。扈家は兄様が『水滸後伝』で活躍するからわたくしが継ぐ必要はないと。まあ、どうせ嫁ぐ身でしたもの、祝姓でないだけましかしら。
白勝 え? 晁蓋さんが名付け親ですか?
扈三娘 ついでに言えば父親代わりになって下さるそうです。
白勝 若ぇ父……もとい。あのー姐さんそれで納得なさってるんです……よね? ふくれっ面に見えますけど。
扈三娘 だって、あんな孩子にお説教されるなんて! わたくしの身になって下さらない? 悲劇のヒロインでしたのよわたくし! それを、ああ悔しい。
白勝 ……一体何言われたんですか。
扈三娘 わたくしが、いかに今までぬくぬくと乳母日傘で育った我儘娘であるか、あの口調で! 一将として戦陣にしゃしゃり出てきたからには捕虜になった後のことも覚悟していた筈だとか、わたくしへの裁定はサービスとか……!
白勝 ……あの人容赦ないんですよ、そういうところ。
扈三娘 別にわたくし怒っているわけではありません! わたくしの今までの認識が甘かったことが悔しいの。ええ、よく解りました。
白勝 まあまあ、あんまり血の気が上がると障りますよ。……晁蓋さんにやりこめられて悔し泣きした人、ここの大半なんで気にしなくて大丈夫スよ。一番しょっちゅう叱られてるのは加亮先生です。
扈三娘 ……そうなの?
白勝 小五さんを筆頭に『今に見ていろ塞主のべそかきを見てやるぞ』とかいう秘密同盟が出来てるらしいス。
扈三娘 ……
白勝 はは、姐さんが勝ち気な人で良かった。実を言うと祝家荘戦の後の晁蓋さんはすっげぇ怖かったスから。李逵兄貴はまだ許してもらえずおしおき食らってるらしいです。
扈三娘 ……わたくしその秘密同盟に参加します。小五さんにそう言っておいて下さらない?
白勝 あ、はい。
扈三娘 それにしても、大頭領って何故孩子なの?
白勝 はあ……晁蓋さんのシリアス口調をこの形式で書くとまるっきりオトナになっちまいますからねぇあの人。そのへんの設定はオフレコなんで、すいません。
扈三娘 いいわ、楽しみにしています。
白勝 てな感じにまとまっちまいました。燕順兄貴、これで納得してくれるかなぁ……。
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花栄 どうした白勝? 疲れた顔だな。
白勝 あ、花栄さん。はぁ〜何かほっとした〜
花栄 ……俺の顔は抗欝剤か何か?
白勝 いえ、梁山泊に入る際に深刻なトラブルなかった人だとやりやすいんです。あ、そのへんどうなってるんだろうこの人……宋江兄貴がアレだから。
花栄 俺? 晁蓋と昔から文通していたんだ(笑)まさか相手が自分より一回り年下だとは思わなかったけどね。
白勝 はあー成程そういうことに。
花栄 うん?
白勝 いえいえ何でも。晁蓋さん達筆ですからねえ……それであの人のトラブルに巻き込まれてあれよあれよという間に気がついたらお尋ね者スか?
花栄 半分は。そうだな、俺昔から彼の思想に心酔していたんだ。だから書簡通りの性格の晁蓋に会って嬉しくなって……
白勝 ……すげぇ内容の書簡だったんですね。
花栄 はは、結構過激だったかな。俺は小さい頃から父が文官にぺこぺこ頭を下げざるを得ない処にいたからね、すごく共感した。
白勝 北方水滸っぽいんですね。
花栄 平たく言うと晁蓋の口車に乗せられたフリしたかなぁ。
白勝 フリですか? あの、花栄さん笑顔がすっげぇいい爽やか青年将校キャラってことになってんですけど……中身のイメージが何か違うような。
花栄 『矢を射る瞬間だけ格好いい小器用キャラ』なんて言われたくないよ俺。
白勝 はあ……やっぱ晁蓋さんの友達なんですねぇ。
花栄 当然。彼が檄文だけの男だったらさっさと捕まえて中央に送って点数稼ぎしてたよ。
白勝 ……ちょっと待って、もしかして原作の宋江兄貴と晁蓋さんの立場をすり替えただけって気がしますけど。
花栄 俺は晁蓋が死んだとしても首くくらないよ。遺志を継ぐよう努力する。その前に招安なんて受けようものなら射殺してる。
白勝 ……やっぱ同志だ。
花栄 俺なんかより朱貴とか阮小二の方がよほど内心は過激だよ。李俊は読めないな。
白勝 まだ設定してないんですよあの人。
花栄 そっか、それでね。でも俺、晁蓋という人物好きだよ。
白勝 ならいいス……花栄さんちょっと理想的甲子園球児っぽいですね、口調とか。
花栄 俺二十歳過ぎてるんだけど。
白勝 あ、いえ別に……そういや童顔ですね。もとい、あ、そういえば秦明将軍に嫁いだ妹さんって、ってことは十代? うひゃあ。
花栄 妹じゃなくて姉だけど?
白勝 あ、ずるいすり替えてる。
花栄 え?
白勝 いえいえこっちのことです。そっかぁ、でもお姉さん急な縁談で大変でしたね。
花栄 いや、実を言うと劉高が目をつけていたからいいタイミングで助かった。それに姉は好みが渋くてね。
白勝 ……老け専?
花栄 そう言うのかな。四十歳以下はお呼びじゃないとかいつも言っていた。夫婦仲すごくいいみたいでほっとしたよ。
白勝 ……いいなあ。今度冷やかしに行きましょうよ。
花栄 あはは、ちょっと気の毒だな。秦明将軍は意外と照れ屋なんだよね。
白勝 へえー……そうなんですか。
花栄 晁蓋も泣いたり笑ったりすると普通の子供の顔になるんだけど。最近気苦労多いから眉間に皺ばっかり寄せているな、塞主も大変だね。
白勝 な、泣いたり笑ったり? 笑うって、あの、にやあっていうあれですか?
花栄 違う違う。普通に笑うって。背伸びしているのも可愛いんだけどね。
白勝 ……(やっぱ宋江兄貴シンパが晁蓋さんシンパになっただけかも)
花栄 俺達もうちょっと気をつけてやらないとな。子供扱いっていうのも大事だと思うんだ、小五を見ていて思った。
白勝 ああ、そうですかねぇ。……敵に回したくない男・花栄さんでした。
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白勝 すげーいい日和の下で汗水流して鍬ふるって働いてる兄貴って言えばこの人しかいません。ちわー陶宗旺兄貴。昼飯持ってきました〜。
陶宗旺 ういしょ。あ、白の兄貴。こんちはっス。すいません、おいらこんな泥んこで。
白勝 んにゃ、おしぼりどうぞ。元山賊には全然見えない腰の低さです。つーか、兄貴が自ら畑仕事する必要ないんじゃないんでしょうか。親分なんだし。
陶宗旺 面目ねぇ。おいらこうやって野菜とか育てているのが一番性に合うんス。ここんとこお天道様もいい塩梅で気持ちいいスね〜
白勝 清々しすぎます兄貴。でもさっき薛永兄貴が城壁の修復がどうとかで探してましたよ。
陶宗旺 はぁ、そいつはすんません。おいらつい畑に足が向いちまって。
白勝 まあこれ食ってからでも。朱貴の兄貴んとこの新作メニューだそうです。あの人凝り性だから一番美味いんですよね。
陶宗旺 そうなんスか。
白勝 ああ、いいなぁ蹴りも剣も飛んでこない人って……ところで向こうの木の上にいるの欧鵬兄貴じゃありませんか? 一緒に飯食いませんかね。
陶宗旺 あいつ人見知りひどいから来ねぇですよ。いつもおいらの後ろ隠れてばっかいちゃ駄目だって言いきかしてるんだけどなぁ、図体ばっかり大きくて。
白勝 ……色モノ集団の中でもとびきり目立ちますよね、あの人。
陶宗旺 世界は広いから探せば鱗のある人も尻尾のある人もいるかもしんねぇって、おいら公孫勝先生に色々聞きました。鵬は人間の身体にちっとおまけがついてるだけだぁ。
白勝 公孫先生……ですか。
陶宗旺 そしたら塞主様も、ちょっと人の頭数数え直したら2億増えた国だし何があったって不思議じゃねぇと仰いました。
白勝 ……晁蓋さん……。
陶宗旺 白の兄貴、どうかしました? なんか鬱(ふさ)いでいるみてぇですけど、そういう時はいっぱい野菜食っていっぱい働いていっぱい眠るといいですよ。
白勝 はぁ、おれ涙出そう……いや大丈夫ス。えーと、でも何で《九尾亀》なんですか?
陶宗旺 道士先生は時々地面にいろんな絵を描いて話してくれるんス。すげぇ面白いんです。でも先生は絵は達者じゃないんで、九つの尾っぽがある狐の筈だったんスけど亀に見えました。
白勝 ……ああ、公孫先生の絵ですか。
陶宗旺 おいら亀と一緒でいつも泥んこまみれだし、先生の絵が何だか愛嬌あるっつぅか気に入ったんで、そう言ったら先生がおいらの渾名にしてくれました。勇ましい渾名はおいらっぽくねぇですし。
白勝 ああ、何かすっげぇいい話聞いたかも……でも陶の兄貴は戦になると人変わるんですよね。
陶宗旺 そうスか? おいらおっかなくてあんまりよく憶えてねぇです。
白勝 鉄鍬ぶん回して首刈り取るの兄貴なんスけど……まあいいや。
陶宗旺 いつも好きにさしてもらってる分、戦で皆のお役に立たなくっちゃと思うんスけど。すんません。
白勝 いや、兄貴今のまんまで全然オッケーですから! 兄貴の作る野菜美味いし。これからも変わらないで下さい。
陶宗旺 そうスか? ありがたいス、良けりゃ何か持ってって下さい。若い野菜は柔らかくて一番美味いスから!
白勝 ……てことで明るい農村バージョンの陶宗旺兄貴でした。花栄さん陶宗旺兄貴と来て次誰だろ……ああ、そろそろきっと急降下なんだよなぁ……ぶるぶる。
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白勝 あれ? ……おれ? 自分? はぁーまあいいけど。えっと一人で喋ればいいのかなぁ。うひゃっ!
晁蓋 騒ぐなド阿呆、人を化けモンみてぇに。オラどけそこ座れ。
白勝 はははい、あの? まさか。
晁蓋 ありがたく思いな、俺がじきじき尋問してやる。
白勝 はぁ、ライトこっち向けないで下さいよぅ……っていつの間にかここ取調室に! ああ〜カツどんまで。
公孫勝 あははは、さっき孫二娘が作ってくれたんだ。美味しかったよ? 冷めないうちに食べてねって。
白勝 はぁ、公孫先生まで……このカツん中に入ってる縮れ毛は……まさか。
晁蓋 《白日鼠》!
白勝 ひゃあ! はいっ!
晁蓋 の意味自分で説明しな。
白勝 えーと、トンチンカンとかうろたえ者とか、そういう意味ってのが主流なんですよね確か。明るいとこにいきなり放り出された鼠って……はは、その通りですね。あ痛。
晁蓋 『武林旧事』に手早く品物をすり替える商人のことを白日賊って呼ぶとある……とかどっかに書いてあったけどなぁ? これ違うのか?
白勝 知らねぇですよそんなの。(あ痛)
晁蓋 自分の渾名くらいてめぇで調べろ未熟者。
白勝 はぁ……。
晁蓋 おろおろネズミなんて呼ばれて嬉しいのか? あ?
白勝 いやぁおれに合ってると思うし。
公孫勝 白勝ってソンケンするよねホント。
晁蓋 謙遜。
公孫勝 だって晁蓋さん諜報に思いっきり力入れてるじゃない? 白勝達が一番色々大変なんだよ。
白勝 チョーホーって何スか?
公孫勝 調べもの?
白勝 それ色々つて作ってんの劉唐兄貴と石秀兄貴ですよ、おれあんまりタッチしてません。
公孫勝 でも諜報網の管理してるの白勝と時遷なんだよね。その上晁蓋さんが何か思いついたら大抵白勝に回ってくるし。そういうの何て言うのかな……お庭番?
晁蓋 草履取り。
公孫勝 ふーん? 宋代の単語って面白いよね……とにかくゾーリ取りの白勝が一番働いてるんだよ晁蓋さん抜かすと。オレなんかたまーにしか仕事来ないもん。
白勝 そりゃ先生がばんばん働いちまったら大変ですよぅ。
晁蓋 いろんな意味でな。
公孫勝 だから白勝って偉いねってさっき晁蓋さん達と話してたんだ。
白勝 はぁ……?
公孫勝 いつもお疲れさまです。
白勝 あ、はい、どうも。
公孫勝 えーと皆が色々メモくれたんだ。『白の兄さんお見限りね、たまにはお店にいらしてねサービスするわん』……?
白勝 なっなっ何ですかっそれ。
公孫勝 あ、王定六だ。あはは。
白勝 ……はぁ、何かと思った。
公孫勝 あ、楊志さんだ。えーと『黄泥岡以前にも貴様と縁があるという設定がついた。花石綱の運送時に私を売った情報屋だそうだな』……ふーん、世間は狭いねぇ。
白勝 えっ、うわ、知らない筈の記憶が頭ん中に……いや、だっておれあの時、ってあれ転覆したんでしょ。
晁蓋 湖賊に襲撃されてな。とにかく楊志が失敗した原因お前。
公孫勝 『次に会う時が楽しみだな』だって。
白勝 うわぁぁぁ、違う〜違うって言ってるのにあの人〜〜晁蓋さん今すぐ何かおれの仕事ないスか、江州でも薊州でもどこでも行きます!
晁蓋 コーソン、これがおろおろネズミの見本。
公孫勝 七転八倒の間違いじゃないの?
晁蓋 ……それにしてもそろそろこいつも楊志流ジョークを解しても良さそうなもんだ。
公孫勝 ふーん、ジョークなんだ? 命がけだね。
白勝 お二人とも落ち着いてないで下さい〜おっおれ無実ですよぅ、どどどどうしよう。先生今すぐ羅真人に紹介状書いて下さい、10年でも20年でも修業します! うきゅっ。
公孫勝 あ、今モロこめかみ机の角で打ったよ。痛いんでしょ?
晁蓋 普通はな。それヤブ医者んとこに運べ。
公孫勝 はぁい。本人退場しちゃったね。
晁蓋 次お前代わりやってやれ。
公孫勝 え? いいの? わーい。
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公孫勝 はぁい、じゃあ白勝の代わりにオレがインタビューしまーす。《地威星》の韓滔です。こんにちはー。
韓滔 はっ……あの、こんにちは?
公孫勝 えーと韓滔は東京出身でちゃんと武挙に通った生粋の軍人さんです。呼延の副将だね、彭玘(ほうき)と双璧。ぐっちゃぐちゃのエロエロ三角関係にすると面白いからそうしましょうよホモでもオッケーカッコワライ……あれ、これ誰の字?
韓滔 なっ何ですか先生それは!
公孫勝 うん、白勝から借りてきたメモ。
韓滔 白……そんな目で自分らを……。
公孫勝 そうなの?
韓滔 ちっ違います、先生といえども自分らを侮辱するのはっ! ましてや我々の上官呼延将軍までっ!
公孫勝 ああごめんねこれ侮辱なの? えーと韓滔は一番融通の利かないこちこち軍人タイプ──あはは、でもいい人だよね。矛の他に弓とかも得意。毘陵郡の緒戦で矢を受け落馬した上に槍で突き殺され……え、死んじゃうの?
韓滔 原作ではそうなっております。任務を全う出来なかったのは残念ですが、戦に死ねるのであれば本望です。
公孫勝 オレそんなの嫌だよ。
韓滔 は……あの、軍師殿。ここは70回本至上主義らしいので、まだそんな先までは決まっておりません。
公孫勝 あ、そうなんだ?
韓滔 はい。御安心下さい。(はぁ、泣くのかと思った)万が一そうなるとしても軍師殿は戦列を離れた後ですので……
公孫勝 はい?
韓滔 は、いえっ自分の記憶違いでした何でもありませんっ。
公孫勝 ふうん?
韓滔 ところで先生、本日は何か自分らに御用でしょうか。騎兵訓練の視察であればご案内致しますが。
公孫勝 オレ見ても分かんないもん。ところでインタビューって何するのかな? メモ終わっちゃった。
韓滔 は?
公孫勝 うーんと……韓滔の趣味は?
韓滔 は、古今の戦術研究であります。
公孫勝 それだけ?
韓滔 身体を壮健に保つことでしょうか。
公孫勝 うーん……何か足そう。
韓滔 は?
公孫勝 じゃあ……『趣味・特技:編み物と蟻の巣観察』。
韓滔 はっ? 自分が編み物をするのですか? 蟻の巣……?
公孫勝 うん。面白いよ。子供何人がいい? 賽子で決めちゃえ。
韓滔 はぁっ! 先生、せめて自分で振りたい……ありがとうございます。わ、六人!
公孫勝 クリティカルだからもう一回振って足してもいいよ?
韓滔 は? いえ、もう結構です。
公孫勝 好きな色は?
韓滔 渋い緑と群青であります。
公孫勝 カーキとネイビー? じゃあもう一色、マゼンタ! こういう色。
韓滔 ……少々派手ではありませんか。
公孫勝 これ確かイギリスで戦時中に開発された色だよ。交戦地名が色名になったんだったかな。
韓滔 そうですか、それなら。
公孫勝 ペット飼おう。えーと何がいいかな。オランウータンとか……開封近くにいるかなぁ。
韓滔 う、自分はアレルギー体質でして愛玩物は残念ながら飼っておりません。
公孫勝 そうなんだ。トカゲとかヘビなら飼えるんじゃない? カエルの卵が孵化するのを見るのが好きとか。
韓滔 いえっ蟻の巣作りを観察するだけで充分です、へ、兵法に適っております。
公孫勝 ふーん、じゃあ朱武も昆虫採集とか好きなのかな……えーと年齢は? 賽子……あ、100面体があった。
韓滔 いえっ賽子は結構ですっさっ38歳であります!
公孫勝 呼延は結構若いよ?
韓滔 はい。不肖自分は凡才の身ですが、気鋭の名将呼延灼将軍の部下として生涯お仕えしたく思っております。
公孫勝 呼延が聴いてたらくすぐったそうだね……あと何付け足そうか。《百勝将》って百一回目は必ず負けるってジンクスがあるとか?
韓滔 それは『銀河英雄伝説』外伝のパロディですか?
公孫勝 変なとこ詳しいね。古今の戦術ってスペースオペラまで入ってるの?
韓滔 いや……その、彭玘の趣味であります。
公孫勝 そうなんだ、あはは意外だね彭玘も。うーんと後は何しよっか。
韓滔 あ……公孫勝先生、そろそろ任務に戻りたいのですが。部下共を待たせたままですので。
公孫勝 あ、ごめんね邪魔しちゃって。皆頑張ってね。
モブ うわ〜勝先生だ〜♪ 頑張ります〜♪
韓滔 こらァ! 貴様ら何が勝先生だ、馴れ馴れしいぞ!
公孫勝 え、オレ友達増えて嬉しいよ。
モブ しょ・お・ちゃーん♪
公孫勝 あはは、じゃあまたね〜
韓滔 貴様ら〜〜〜っ! 覚悟はいいなっ、日が暮れるまで連環馬の突進訓練!
公孫勝 ということで白勝の代役公孫勝による韓滔インタビューでした。ああ面白かったぁ。
※韓滔追記:マゼンタ(magenta:フクシン)が発明されたのは1858年ロンドンに於いてのようですが、イギリスの地名ではなく、同時期のイタリア統一戦争の激戦地マゼンタにちなんで名付けられたそうです。 |
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公孫勝 あ、彭玘見っけ。
彭玘 おや、一清先生。練兵場でお会いするとは珍しいですね。
公孫勝 今帰りかけたとこ。じゃあ彭玘の分もやっちゃおう。仲良し三人組のもう一人、《地英星》の彭玘です。確率からすると女の人かと思ったんだけど違ったね。
彭玘 繊弱な女人の身では軍人は務まりませんからメモをすり替えました。
公孫勝 え? 誰と?
彭玘 確か《火眼狻猊(さんげい)》でしたな。
公孫勝 ふーん鄧(とう)飛……彭玘は韓滔とだいぶタイプ違うね。
彭玘 常に有利な状況に身を置くのがモットーですから。直情型の万年熱血軍人は傍目で見ているだけで疲れます。
公孫勝 何で梁山泊に下ったの?
彭玘 一度敗残の将となれば出世街道から外れます。後ろ盾があるわけでもなく、呼延将軍の如き名門でもなく、己の若さと才能だけで勝負してきた身としましてはあまりにも無念。生涯を僻地の団練として過ごすよりは、いっそ賊軍に身を投じた方がましだと考えました。幸い後の二人もじきに捕らえられたことですし。
公孫勝 毒食らえば皿まで?
彭玘 良い言葉ですな。
公孫勝 ……仲良しトリオなんだよね?
彭玘 友とは自分に都合の良い人間のことでしょう。
公孫勝 じゃあメーワクばっかりかけてるオレは誰の友達でもないのかなぁ……。
彭玘 一清先生は無双の術者ではありませんか。友と称するのはあまりにもおこがましいですが、自分で宜しければぜひとも末永くお付き合い下さい。
公孫勝 え? 友達でいいの? ありがとう。あはは、良かった。
彭玘 どういたしまして。ところで、鄧飛に気づかれぬうちに設定を公開しておきたいのですが宜しいでしょうか。
公孫勝 きっぱりしてるねぇ、オレそういう人好きだけど。うん、えーと何から? スペースオペラが好きなんだよね。
彭玘 は?
公孫勝 韓滔が言ってたよ。
彭玘 ……それはあの男の趣味でしょう。あの男は実はコミックと鉄道模型と耽美系少女小説も好きなのです。
公孫勝 へえ、そうなんだ。そう言えばいいのにね。
彭玘 全くですな。この彭玘は容姿端麗頭脳明晰冷静沈着大胆不敵狼子野心としておいて下さい。
公孫勝 老子野心?
彭玘 そのような無益な老体ではありません。年の頃は23,4歳が宜しいですな。
公孫勝 はぁい。四文字熟語好きなんだね、あんまり独創性ないけど。奥さんいる?
彭玘 何かさらりと仰いましたな……いえ、家族妻子はおりません。良縁をじっくりと待ちたいと考えます。
公孫勝 逆タマ?
彭玘 それが何よりですな。一に家柄、二に財産、三に気品。どうせ容貌は閨では判りません。
公孫勝 蔡京の娘とかでもいいの?
彭玘 佞臣はいつ零落しないとも限りませんから遠慮しましょう。自分の画策で華々しく散るのならばともかく、連座などで失墜するのはごめんです。
公孫勝 ホント面白いねぇ彭玘って……そういう人って正攻法に弱いんだよね。晁蓋さん言ってた。
彭玘 ……ふっ、痛いところを。
公孫勝 朱武も言ってたな、落とし穴掘って自分で落ちちゃうタイプだって。そういえば真っ先に捕まったんだっけ。
彭玘 ……痛すぎますなぁ。
公孫勝 でもトリオとしての成績がいいから外さないって。仲良しで良かったね。
彭玘 はは……そうですか。一清先生のご評価は?
公孫勝 うん、オレはっきりした人好きだよ。剃刀みたいで面白いね彭玘って。
彭玘 ほう、切れ者のイメージですか。それはそれは。
公孫勝 剃刀ってすぐ折れちゃいそうだから気をつけてね。
彭玘 ……ありがとうございます。
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顧大嫂 あらッ勝ちゃんじゃないの、相変わらず生ッ白い顔して。ホラうち寄っといで、おまんま食べさしたげる。
公孫勝 あ、おばさんこんにちはー。あれ? オレ白勝の御見舞行こうと思ってたんだけど……西側来ちゃった?
顧大嫂 白公なら何か知らないけど韓さんも探してたわねぇ、頭からカッカ湯気立てて。あの子口滑らしてばっかりいるからまた何かやったんでしょ。Mっ気あンじゃないの? 煮え切らないでへらへら笑ってばっかしいるし。まぁそのへんがカワイイってあたしら言ってるんだけどねぇ、やだよもうこの子ったら余計なこと言わせて。はいおばさん特製スタミナ定食だよッ。
公孫勝 わぁい、いただきまーす。
顧大嫂 何でこんな子供らがてっぺんにいンのかねぇ、うちの山塞は……ねぇあんた。
孫新 ん? うん……。
顧大嫂 おいし?
公孫勝 うん。オレおばさんとこのゴハン好き。
顧大嫂 そうだよねぇ、まだ乳臭い顔したこんな子がさぁ、生辰綱強奪やら官兵撃退やら刑場襲撃やらおとなの仕事に駆り出されて……この稼業は二十歳過ぎてからって禁令を出せばいいのにねぇお上は何やってンのかしら。ねぇあんた。
孫新 うん……。
顧大嫂 全文読んでもさっぱり解らない曖昧な法案ひねり出すならさ、あたしらまっとうな国民が安心して子育て出来る環境を整えてくれってンのよ。お上が何にもしないからあたしらが自分で何とかしなくちゃなんないンじゃないの。みみっちぃ金稼ぎばっかりしてるくせにえばりやがって、馬鹿馬鹿しい。それよか大切なことあンじゃないの、メンツって胸張ってお天道様見れるって意味じゃないのかい。ねえあんた。
孫新 そうだなぁ……。
顧大嫂 あたしら山賊だけど官よりゃましだって思うわさ。はい饅頭のお代わりは?
公孫勝 ありがと、でももういっぱい。
顧大嫂 遠慮なんてするもんじゃないよ。ホラ幾らでもあンだから。この雌虎おばさんの饅頭に適うのは天下にないよ、あったらおばさんひねり潰しちまうしね、ハッハッハ。饅頭はキメが命だよ、おばさんと同じでモチ肌だろ? あたしこう見えてもね、うふ。ねえあんた。
孫新 うん……。
公孫勝 おばさんの饅頭美味しいんだけどすっごく大きいよねぇ……これ残っちゃったからおみやげにしていい?
顧大嫂 ホイきた。蒸かして食べなね、ついでにこの筍と肉の細切り炒めも入れたげる。ほーらもう一個あるよ、あのがりがりちびの塞主さんと半分コしな。
公孫勝 うん、ありがと! 晁蓋さんはおばさんとこのと小五達のおばさんの饅頭だけはおなか一杯の時でも残したことないんだよ。
顧大嫂 阮さんとこの?
公孫勝 うん。水塞修復の時とかよく持ってきてくれる。
顧大嫂 ふうーん……聞き捨てならないね、こちとら商売だ。ちょっくら覗いて来ようかね、ねぇあんた?
孫新 うーん……。
公孫勝 家ごとに味が違うのがいいんだよって阮のおばさん言ってたよ。
顧大嫂 ハハハ、一本取られたね。確かにそうだ。でも今度おばさんに味見さしてくれッて言っといてよ。
公孫勝 うん。ごちそうさま。
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白勝 こんちわっス。公孫先生代打してもらったそうですみません。のびて半日ぐっすり寝たら何か調子よくなっちまいました。えーと阮三の末っ子小七さんス。
阮小七 白、邪魔! ちょっと脚上げて。
白勝 わっはい。掃除中すみません。
阮小七 さっきまで兄貴がごろごろしてたからねー今日掃除遅くなっちゃった。もぅ、やだよね限度知らない酒飲みって。あんた暇なら喋りながらでいいからそこらへん拭いて、はい雑巾。
白勝 あ、はい。原作時代の批評人にやたら人気、「阮小七は上の上」とまで評された好漢中の好漢が姐さんキャラ化とは、金聖嘆もさぞ驚いていることでしょう。
阮小七 オンナだと何か悪いの?
白勝 いえいえ全然。見かけ今時の女子高生、中身しっかり者でしゃっきりしているという設定です。そういうギャルいますね時々。茶髪ロン毛なんスけど、すると上の兄貴二人もそーいう感じですか?
阮小七 何今更、あんたうちに入り浸ってるくせに。うちの兄妹は眉しか似てないじゃん。ま、ちい兄も茶髪ロン毛だけどねー潜ってばっかりいるとこうなっちゃうの。はいそれ貸して、手ェ洗って。
白勝 まぁ智取生辰綱以来の馴染みなんで……ところで名前を七娘とか変えなくていいんですか。
阮小七 うちの母さんがつけてくれたんだもん、小七でいいじゃん。あ、うち片親。母さんと姓一緒なのはホントはヤバいんだけどねー。はいお茶。
白勝 あ、どーも。原作だと地味そうに見えて実は要所要所押さえてますよね、招安の時酒すり替えたり方臘の衣裳着てみたり、これぞ好漢! て感じで格好いいんスけどやっぱりあの路線で?
阮小七 それどっちも70回以降の話じゃん。
白勝 はは、まぁそうですね。
阮小七 メンドーなことは別に考えてない。大兄貴が晁蓋についてくって決めたんだしー、ならいいじゃん。大兄貴の目利き確かだから。あたし晁蓋のやり方は結構自由にさせてくれるから嫌いじゃないし。ああ、あんたが牢城にぶち込まれた時助けたのあたしと劉唐ってことになったから。
白勝 そいつはどうも、お手数かけさしちまいまして……ああ、でも小七さんだと地味におれを脱獄させるってのは……。
阮小七 あったり前じゃん、お礼参りだよ? 色つけないでどうすんの。
白勝 ああ知らなかった筈の記憶がまた……火ぃつけて暴れ回ったんスね。阿鼻叫喚の大名府……北京攻めるの原作よりずっと先行しちまったようで。劉唐兄貴、止めて下さいよ〜。
阮小七 裏で色々手配したの全部劉! 何? あんた自分が梁世傑のオヤジなんかに殺威棒受けて唸ってたのにリベンジする気なかったの? マジ?
白勝 う、いや。
阮小七 だよね。あのオヤジ殺しとけば良かったよねーあの時。ふ、今から変えちゃおうよ?
白勝 あの時点でそこまでやったらおれら官兵と全面衝突で玉砕してますよぅ、まだ人数揃ってなかったんですから。
阮小七 あたし一人で潜入してオヤジ一人バラしてくるって言ってんの。それなら晁蓋達にもメーワクかかんないんじゃないの。
白勝 ぬ、抜け駆けはまずいスよぅ。
阮小七 ま、いいわ。そのうち利子つけて返せばね。
白勝 はぁ良かった。んじゃ、これ以上寝た子を起こさないうちに帰りますんで。
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楊林 どしたン《白日鼠》……汗びっしょりだぜ。
白勝 はあ、何かおれの知らないうちにメモに変な書き込みがあったらしくて、韓滔兄貴に説教されちまいました。よくわかんない新設定出来てるし……公孫先生一体何を。
楊林 先生ならおめぇの代わりだってって向こうでも何かやってたぜ。
白勝 うわぁっ! もういいですよぅ先生、勘弁して下さ〜い〜!
楊林 よくわかんねぇけど大変だな。
公孫勝 あ、白勝。もうアタマ大丈夫? はいこれ、凌振の分のレポート。
白勝 遅かった〜……はぁ、ありがとうございます。
公孫勝 また手伝うことあったら呼んでね。
白勝 はい、あう、また増えてる……どうも。
楊林 先生どうもご無沙汰してまして。あっしは段の野郎と馬の買いつけばっかりやってるンで、なかなかそっちに伺えねンですよ。
公孫勝 久しぶりだね。いい馬いた?
楊林 へぇ、ぼちぼち。
白勝 接点なさそうな二人ですが、そういや原作だと公孫先生に紹介状書いてもらったんですよね、楊林兄貴。
楊林 んで《神行太保》と恐怖の二人三脚な。
白勝 楊林兄貴というと「むかしむかし」をやらねぇのかついわくわくしちまいますね。
楊林 お前酔虎塞さんとこの王定六んちに入り浸りすぎ。ま、馬の買いつけやる時話のネタし込んどくと商売しやすいかもしんねぇけどな。
公孫勝 あ、じゃあ特技にそれ足そうよ。
白勝 だ〜〜〜っ先生、そうやって色々設定付け加えてたんですか!
公孫勝 無口な人多いんだもん、ここ。話し上手な人を増やしたいよね、特に商売やる人は。
楊林 そらそうだ。
白勝 軍師のお言葉ですから……まあ、それくらいなら。
公孫勝 ついでに梁山泊ニュースみたいの作ってるとかは?
白勝 うわーん。
楊林 くく、あっしで良ければ喜んでやらして頂きやしょう。「水たまり」インデックスってのにまだ1項目しかねぇから気になってたんスよ。メルマガ形式とか楽そうですが。
白勝 もうそれっぽいことに……はい、もう好きにして下さい。
楊林 ただ、あっしらが戻るの不定期なんで、そのへんは。
公孫勝 うん、楽しみにしてる。
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