[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

1.

HOME INDEX NEXT

《錯綜A09》


企画1。ジャンルも何も決めずに始めて終わったリレー小説です。
関係者の皆さん御苦労様でした。

プロローグ


 鬱蒼と茂った森の隙間に、一陣の風が渡った。
 薙ぐ、という言葉が似合いそうなほどの強いそれは幹を揺らし、枝をすり合わせ、幾多もの木の葉を舞い散らせる。
 一枚、二枚。風に従い、呆れるほどあっさりと東から西へと落ち行く緑の破片。
 その中のある一葉が、くるりと円を描きながら進路を変えた。丸まってクセがついた葉に、風が別の流れを与えたせいだった。
 一枚だけ、西から東に落ちた木の葉。
 いや。落ちるよりも早く、その身は塵と化して宙に消えた。
 ──風ではなく、時に引き裂かれて。

 その大陸に、名はなかった。
 名前が必要ないからであった。
 唯一の大陸は、そのまま唯一の世界であった。
 天が動き、揺るがぬ地平が全ての世界。
 その名もない大陸では、太陽も、星も、風も、旅人も──そして時間までもが、東から西へと流れていた。
(古月)


topに戻る

■難しい処で止めましたね(笑)崩すよ。
 その人物は大きなフードですっぽりと顔を隠していた。その華奢な身体を包むのは黒い粗末なローブ、誰もが知る《罪人》の印……永劫を旅人として生きねばならぬ、最も重い罪を《天秤》に下された者。
 街に入ってきたその旅人を人々は見つめた。忌まわしきそれを一瞥し、慌てて視線をそらす者。珍しそうに眺める売春婦達。あれは何、と母親に尋ねる少年が叱られている。
 蟻塚のように高くそびえる摩天楼が彼らをその影の中に包み込んでいる。
 
 
 その街は《錯綜A09》と呼ばれていた。
 停滞した時間は他次元世界と重なりやすくなるという。重複した世界は、運が悪ければいずれの世界も消滅、そうでなければ錯綜する。この世界には他次元世界を受け入れる余裕が多分にあった。それとも《天秤》が希有にも悪戯心を起こしたのか。
 壁の隙間から光が差し込むように、他次元世界はこの世界に流入してくる。錯綜した場は街となる。何故なら、本来はほんの一瞬でしかなかった筈のその交錯が、この世界では永劫と化すから。
 
「うわぁ、初めて見た……アレだよアレ。え? 分かんない? 何だと思う?」
 耳に埋め込んだ通信機のマイクに向かって少女が囁いている。その隣では半透明に蠢く二人連れが、軋むような声を上げて熱心に商談している。二人の間には翻訳呪文を行使しつつ時折口を挟む魔法使い。
 《錯綜A09》は秩序が崩壊する錯綜場の中でも最も悪名の高い街の一つだ。備えを怠った新参者が身ぐるみ剥がれようと臓器屋に売られようと、珍しいことではない。だが、誰も《罪人》には近づこうとしなかった。罪人は害してはならぬ者と決まっている。
 だが。
「おい」
 ごく若い男が罪人の前に立ち塞がった。まだ少年というべきか。この街に生まれ育った者特有のふてぶてしさ、だがどこか悪戯っぽい表情もちらりと見える。
 罪人は足を止めた。少年よりも幾らか背が低いが、老いの兆候はその足取りにはなかった。旅する者は決して歳を取らないから当然とも言える。
「お前《罪人》だろ? 顔を隠しちゃならねーんだろ、それって」
 少年は陰になったその顔を覗き込もうとしたが、高層建築に囲まれたこの場では暗すぎた。
 彼は眉を寄せた。いきなりその手が動き、フードを払いのける。周囲で彼らを眺めていた者達も息を呑んだ。
 少年は罪人を見つめ、ぽかんと口を開けた。
(みろ)


topに戻る

■ああもう書きにくいったら、妄想サクレツやね(笑)
 周りにいた誰もが少年だと思っていたその《罪人》の顔は、まだ幼さを残した少女のもの。しかもその紫の眼と白石の肌は妖艶なロファークを想起する。奴隷商人が見たら、たとえ《罪人》でも―と思うだろう。
だが、この少女は《天秤》が裁定した受刑者なのだ。罰を受けたその歳から老いもせず、ただ彷徨うのみ。
一体なにが少女を凶行に駆り立てたのか、遥(よう)としたその眼に感情は観えない。
 
フッと嘲るように笑みを刷いて、《罪人》は踵を返す。呆と見惚れていた少年の面が朱に染まる。
「おい、待てよ!!」
(ハムねこ)


topに戻る

■裏をかかれたか……(アナタがストレートに出るとは)
 少女の足取りは緩やかだった。横に並んでちらと眺めたその優美な顔立ちは、やはりとうに滅びた古の種族(ロファーク)のそれのようだった。……自分よりも年下に見えるのに。
「少年」
 低い声に彼は我に返った。
「……俺はゼドだ、ガキ扱いすんな。婆ぁ」
 歩みが止まった。紫色の瞳がちらとこちらに動く。
「な……何だよ。本当のことだろ」
「退いていろ」
 右手を軽く挙げ、追い払うような仕草をしてみせる。だがその視線は前方の暗闇に据えられたままだ。
 ゼドはつられてそちらを見た。
 何か……巨大なものがいる。
 いつの間にか周囲の雑踏が絶えていた。危険を感じ取れぬようではこの街では長く生きられない。
 あの妖気は。
 人間が多く集まる場所には滅多に出現しない筈の……出現するとなれば、相当の力を備えているに決まっている。
 ゼドは瞠目し、咄嗟に腰の短針銃を引き抜いた。その手を少女の右手が軽く押さえる。
「……お前何しにこの街に来たんだ」
 白い顔が暗闇の中に輝くように見えた。唇が小さく動く。今度こそ彼女は笑った。
「食事」
「……へ?」
 場にそぐわぬ答えにゼドはぽかんとする。少女は戦意のかけらも見せぬまま、暗がりの中で微笑んだ。いっそ優しげに。
「喰らいにさ」
(みろ)


topに戻る

■このシーン全部書いちゃいますよ。
 前方の気配はますます強まった。錯綜空間に稀に出現するビジター……或いは妖、バグなどと呼ばれるものに違いない。生物はおろか建物、時には時空間まで歪曲することもあれば、がつがつと喰らい尽くすこともあるという。
 ぼんやりとここに留まっているなど正気の沙汰ではない。しかしゼドの脚は硬直していた。
 何を食うんだって?
 彼の顔を眺めていた少女の口元に、やがて人の悪い笑みが浮かんできた。にやにやと、若い不敵な面構えの男にこそ相応しいだろう表情で見つめている。
「こいつの……な」
 呟きは突如巻き起こった風に掻き消されんばかりだった。少女のローブが翻る。何か黒い影がその裾から飛び出し、前方の闇へと消えたのをゼドは知った。
 ひたひたと近づきつつあった妖気が、音もなくふっと消えた。
 二人の髪を靡かせた風が止み、空気が再び淀む。
 
「……《捕食者》?」
 ほう、と少女は目を細めた。
「良く知っているな」
 子供扱い以外の何物でもなかったが、もはやゼドは言い返そうとは思わなかった。
「……名前だけ」
《捕食者》はエネルギーを喰らう強大な寄生体、それ以外は知らない。そんなものに寄生されて平然としているこの少女の方がどうかしている。
 旅人はどうせ、皆どうかしているのだ。
「奴は喰らわなければ生きられないからな」
「お前は違うのかよ」
 少女は可笑しそうに、ほんの少し眉を寄せた。
「飢え死に出来る身ではないさ」
 ゼドはそこで漸く思い出した……この少女のローブの色を。
「罪人に寄生するなんてさ、掟破りっぽいけど」
 つとめてぞんざいな口調で言うと、彼女は首を振った。
「あれが《罪人》の監視者だ」
「……」
 喋りすぎたのを悔やむように、彼女はちらと顔を背けてまた歩き出した。闇の中へ。罪の色のローブが彼女を引きずり込む。
 一体、どれほどの罪を犯せば永遠の極刑に相当するというのか。
 立ち尽くすゼドの背後に、何事もなかったかのように街の明かりが灯り始めた。密売の男、流し目を使う少女、掏摸役を見張る上役……けれどそこに先程までなかったものが残っていた。
 ほんの微かな残り香が。
 
 まるで何かに誘われるかのように、少女が消えた方向にふらりと歩き出したゼドを、物陰から見つめていた男がいた。
(みろ)


topに戻る

■重いから壊す。(ちょっとギャグ入れようよ)
    ×    ×    ×
 
 
 街の西門は閑散としている。
 その夕暮れの中に、一人の男が倒れていた。
(みろ)


topに戻る

■ぶちまけるだけぶちまけて
まぁ、この「学園」自体が広大な都市機能を有しているのであるが。彼の背中にはカタカナで「マッショウ」の文字。なにやら物騒な意味合いでもあるが、「松山商業」の応援団ならお近づきになりたいかも。
 「あの、もし・・・?」
 と、彼に問いかける声があった。
(AIN(古代))


topに戻る

■凄い壊し方だ、偉い!
 男は倒れたまま何か呻いている。笑っているらしい。
 街から出発しようとしていた隊商の先頭の駱駝がうさん臭げに彼を見下ろした。踏みつけるには気色悪いと感じたのか、ゆっくりと迂回していった。
 その手綱を取る奴隷少年は、埃まみれの学ランの背を物珍しそうに横目で眺めていった。
(みろ)


topに戻る

■異種格闘戦。
「あの、もし?」
 親切な誰かが肩を揺する。と同時に、男が吠えるような叫びと共に跳ね起きた。見れば今度は目に涙をためている。
「邪魔しないでくれよっ……」
 彼はそのまま口をぽかんとあけた。
 目の前にあるのはつるりとした緑色の、何だか心地よさそうな良くなさそうな……
「良かったさ。元気そうさ」
 フロックコートを着た巨大な蛙が彼の上に屈み込んでいた。 
(みろ)


topに戻る

■しばらく見なかった甥が、もう一人歩きしてるような雰囲気だ。
「そ、そんな……」
 身を包んだ学ランごと肩を震わせながら、男は驚愕を露わにした。
 しかし無理もなかろう。巨大な蛙に話しかけられるなんて、このおかしな街の中でも、とびきりの異常事態だ。
 平静きわまる……というよりも、単に表情が分からない蛙面に向かって、男は驚きの声を上げた。
「お、お前、もしかして金持ってんのかッ!?」
 男の右手は、蛙のコートをしかと掴んでいた。
 その肌触りは上質のものであり、また縫合やデザインも秀逸だった。普通の人間ではまず手が届く代物ではない。
 蛙なら手が届く、という話ではない。
「……驚かないんだね、君」
 自分がしゃべれることは。人間にとっては驚きに値する、という自覚は蛙にはあり。
「じゅーぶん驚いてるッ!」
 そして、その驚きが見当違いなことには、男は自覚がなかった。
(古月)


topに戻る

■いみじくもみじかく
 「例え話をしようか」左手に紫煙を潜らせながら蛙が言う。
 「タバコ吸うんだ・・・」「いいから、」
 
 「ある処に貴族の息子がいた。彼は何不自由なく育ち、そして19の誕生日を迎えた頃、世界の全てを見てみたいと思った。彼は親の反対を押し切り、駱駝に乗って旅立った、だがある時・・・」
ゴクリ、
(AIN)


topに戻る

■夜間部あるんですね。(ところで「男」って何年ダブリ?)
「彼はふと考えた。一体世間を旅して回っているのは自分なんだろうか、それとも駱駝なんだろうか?」
 蛙の紳士は言葉を切って煙草の煙で見事な輪を作り、その煙ごしに、西へと遠ざかる隊商を眺めた。
「そりゃ……だって、その上に乗っているわけだし」
「見聞を広めるとは、遺跡や観光名所をぼんやり眺めて回ることではないさ。その点駱駝は自分の足で歩いている」
「……じゃあ手綱取って歩けよ」
 鷹揚に笑い(定かではないが)、蛙は流暢なのかどこか訛っているのか定かでない独特の口調でおっとりと言った。
「彼は駱駝と同じように四つんばいになって歩いてみたそうさ」
「……それ、何の喩え話だっけ」
 蛙が口を開く前に男の背後、則ち街のどこからかとんでもないチャイムの音が鳴り始めた。
「ああ、今日も間に合わないかねぇ」
「何に」
「限定50個なのさ。いつも辿り着く頃には売り切れさ」
「だから何が」
「購買の、素晴らしく美味だと評判の、何だっけ。独創的な名前のついてる」
 蛙は思い出すように首を傾げている。 
(みろ)


topに戻る

■何気なく、去りて泣く
「オードリー・ヘップパン」
「ダジャレかよ」
 しかし、そもそもこの場に倒れていた「彼」より、この蛙紳士の方が数段謎人物だな、とこの一部始終を見張っていた「影」はひとりごちた。
 「首尾はどうだ、レクサス?」
 不意に背後から声がした。それに驚く風もなく
 「今のところ動きはない」と呟く。
 「ならば現状維持だ、引き続き監視を続行してくれたまえ『レクサスES300』そして最後にこう放った。
 「日本名『ウィンダム』!」
(AIN)


topに戻る

■流石に訳分からな過ぎたね、
「で、何故に此処に伏していたのかね?キミは。」
蛙に尋ねられて初めて気が付いたのだ、男は。
 「き、記憶がない!?」
 「・・・言うに事欠いて『記憶がない』かね?キミは・・・」
普通『俺は・・・誰だ?』位の処から攻めてくるモンだがいきなり核心にせまる男の態度はむしろなめているとしか思えない。
 「ならば、あそこに行くのが妥当だろうね」
 「あそこ?」
 「キミみたいなのが大勢いる処さ・・・」
(AIN)


topに戻る

■もっと解らなくしようね。
 蛙は吸盤つきの指で優雅に男の後ろ、つまり街を指さした。
「学校とは学ぶ為にあるのさ。学ぶとは真似るということであり、しかしくして……」
「おいおいおっさんおっさん」
 蛙の年齢など解らないが。
「つまり何かい、学校行きゃ俺の名前が解るってのかよ」
「名前とは固体識別の手段に過ぎないさ。学ぶことにより君の存在意義が解ってくるさ」
 よく見ればフロックコート(いや、フロッグコートだろう)の胸にネームプレートらしきものが光っている。長ったらしい名前も。何故かカタカナだ。
《シャルルマーニュ・ケロロケス・クルッグラーグァ・ルル・ククルース・カルル・カルルック教授 博物学》
「……教授?」
「名前を知るよりもっといいことがあるさ。向こうからうちの助手がオードリー・ヘップパンを二つ持って歩いてくる」
 カルルック教授は門の中に向かって頷いてみせた。男もつられて振り返る。こちらに歩いてくるそれらしき影が長く伸びて彼らに触れた。
「教授? このパンで宜しいんでしょう?」
 何だか美人を予感させる玲瓏とした若い女の声だ。
 うん、と蛙先生は頷いた。
「さて問題は我々がどうやって帰るかさ。西から東に帰るのはヒトにも蛙にも困難なことだが、この肉体的精神的疲労感は時間のx軸ベクトルに対して遡行した結果、歩行速度と質量に比例するエネルギーを消耗するからであるから、つまり時間軸に対して斜めにゆっくり歩けばいいのさ」
 意味はさっぱり解らなかったが、男は自分が理数系でないことだけは確信した。
「そんなことより! 俺には何か大切なことがあった筈だ! 何か悲しくて嬉しくて痛くて辛くて、沙也香さん! む、沙也香さん?」
「研究室でお茶を入れてあげよう。君、顔についた砂を払いなさい。きなこ餅のようだよ」
 
 蛙は甘党。物陰でメモを取りながらレクサスES300は吐息した。
(みろ)


topに戻る

HOME INDEX NEXT